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交通事故治療において医師の許可(同意)は必要か?

 交通事故での補償のされ方として一般的には、まず自賠責保険から支払われ(人身などに関わる治療費や慰謝料などの合計の限度額が120万円まで)、この限度額を超えたときに任意保険から支払われるといった二段構えとなっています。自賠責保険への申請は医師の同意は必要ありませんが、限度額を超えた場合は医師の同意があったほうが有利と思われます。その理由をつぎに述べます。

 

 ① 自賠責保険への申請は整骨院からの施術証明書をもって請求すれば受理され、医師の同意は必要ありません。 この自賠責保険への申請は保険会社でなくとも、加害者・被害者どちらからでも直接請求できます(加害者請求、被害者請求)。大半の被害者の方への補償はこの自賠責保険の範囲内で済んでしまうのが実情ですので、仮に保険会社から治療の打ち切りを告げられても、あとから自賠責保険へ限度額までは被害者側からも請求できますので実質交通事故での補償は確保されているのです。どうぞご安心ください。 ◁◁ 重要 !!

 

② 保険会社が自賠責保険の限度額を超えた賠償請求を被害者側からされた場合、その請求額に納得できず最終的に裁判になると、裁判所では整骨院での施術を治療費として認めるかどうかの判断をするにあたり「原則、医師の同意が必要。」としています。ですので担当者から「医者の許可をもらって下さい。」と告げられれば、医療機関を受診し同意を得た方が良いと思います。しかし、整形外科の病院においては整骨院との同時治療は認めないなどのポスターの掲示や説明をする所も多く、一応許可を申し出て否定をされなければ問題ないのですが、認めないと言われた時には、整骨院での治療を容認してくれる他の医療機関もありますので、そちらへの転医をご検討下さい。助言を致します。

(※ 裁判所の判断では、治療は医師が行うものとしており、整骨院での治療(施術)は、原則、医師が認めていなければ治療とは認定しないとしています。ですが実際の判例ではケースによって違いますが、医師の同意がなくても全部または一部認定の判決を出しており、現在に至っては整骨院での治療が、期間や費用など妥当と判断できればそのまま治療として認める傾向となってきています。)